“無理をしなくていい”自分らしくいられる居場所を

子どもや若者、家庭にとってのあたたかい居場所をつくり続ける佐藤。

彼女がアスイクで出会った方々とのエピソードをお届けします。

  • 名前      佐藤  直美
  • 所属       南部ユニット サブリーダー  
  • 略歴       宮崎国際大学卒業後、宮崎の百貨店に勤務。
             地元秋田に戻り、地元の広告代理店で県の観光PRムービー制作に携わる。
             その後保険会社で法人営業を担当し、現在に至る。
  • 趣味      キャンプ、ハシビロコウの動画を観ること、散歩
  • 好きな言葉  今この瞬間を楽しむ

アスイクにかかわるきっかけ

アスイクに入職する前は地元秋田で保険会社の営業の仕事をしていました。

人とかかわる仕事が好きで、アパレル関係の仕事にも就いていたことがあります。

仕事にも慣れてきたころ、ふと物足りなさを感じ転職をしようと思い立ちました。

転職するからには、「本当にやってみたいことをやろう」と。

実は、母から「いつまでふらふらしているのか」と言われていたんです。

浅い生き方をしているとも言われました。

母はもともと専業主婦だったのですが、父が他界してから特別支援学校で教員に。

母が弱音を吐くところは一度も見たことがなく、「自立した女性になってほしい」とも言われていました。

母の影響もあって、障がいをもっている子どもたちと関わる機会はありました。

ずっと子どもに関わる仕事、人の役に立つ仕事には興味があったのですが、チャンスも、勇気もなくて。

でも、今度こそと思い、子どもにかかわる仕事をキーワードに転職先を探しました。

アスイクの求人は、たまたま見つけたんです。

子ども・支援・NPOというキーワードで探していたところ、求人サイトに「あなたに向いている仕事」と出てきました。

経験がないことを不安に感じていましたが、子どもの貧困についてもニュースで見聞きはしていたので、一か八かと面接に挑みました。

面接ではたくさん質問をさせていただいて、やはり深刻な状況にある子どもたちがいるのだと実感を持ちました。

面接を通して「自分にできることがあるなら、やりたい」と強く思ったことをいまでも覚えています。

体調を崩したことをきっかけに、このまま仕事を続けるのはどうなんだろうか、と考えるようになり

「自分には何ができるのだろう」「自分は何がしたいんだろう」と自問自答しながら過ごしていました。

働きながら転職活動をしているうちに、目に留まったのがアスイクが運営する荒井児童館の求人でした。

アスイクについて調べていくうちに、児童館だけではなく学習支援やフリースクール、フードバンクなど

様々な事業を行っていることを知りました。

恥ずかしながら、「フードバンク」という言葉はアスイクのHPを通して初めて知ったんです。

転職活動をしている間は自分自身と向き合う時間も増えて、

一時期は分厚い雲が立ち込めているような感覚があったのですが、

アスイクのHPを見ているうちに光がさしてきて。

「やっぱり児童館で働いていこう」と思うことができました。

これまで培った自分の経験を活かせる場なのではないか、と感じたんです。

実際に働いてみて、確かにこれまでの経験はいかせますが、それがすべてだとは思っていません。

荒井児童館のやり方や文化のなかで、自分のこれまでの知見をいかしていきたいと思っています。

アスイクでの仕事

人とかかわる仕事が好きで、アパレル関係の仕事にも就いていたことがあります。

仕事にも慣れてきたころ、ふと物足りなさを感じ転職をしようと思い立ちました。

転職するからには、「本当にやってみたいことをやろう」と。

実は、母から「いつまでふらふらしているのか」と言われていたんです。浅い生き方をしているとも言われました。

母はもともと専業主婦だったのですが、父が他界してから特別支援学校で教員に。

母が弱音を吐くところは一度も見たことがなく、「自立した女性になってほしい」とも言われていました。

母の影響もあって、障がいをもっている子どもたちと関わる機会はありました。

ずっと子どもに関わる仕事、人の役に立つ仕事には興味があったのですが、チャンスも、勇気もなくて。

でも、今度こそと思い、子どもにかかわる仕事をキーワードに転職先を探しました。

アスイクの求人は、たまたま見つけたんです。

子ども・支援・NPOというキーワードで探していたところ、求人サイトに「あなたに向いている仕事」と出てきました。

経験がないことを不安に感じていましたが、子どもの貧困についてもニュースで見聞きはしていたので、一か八かと面接に挑みました。

面接ではたくさん質問をさせていただいて、やはり深刻な状況にある子どもたちがいるのだと実感を持ちました。

面接を通して「自分にできることがあるなら、やりたい」と強く思ったことをいまでも覚えています。

アスイクでの仕事

現在は、岩沼市で不登校・引きこもりの当事者や家族をサポートする「HATCHいわぬま」の運営を行っています。

利用者は30名を超えていますが、うち半数はご本人の参加が難しく、ご家族をサポートする形で関わりを持っています。

南部事務所の教室スペースで、週3回フリースペースを開いています。

利用するのは中学生から20代後半まで、10名ほどの方が自分のしたいことを自分のペースでしています。

一緒にゲームをしたり、イラストを描いたり、おしゃべりしたり。

最近は就労支援という形で仕事の内容や必要な資格を調べる手伝いをしたり、履歴書の書き方のサポート、面接練習などもしています。

今後は地元企業の方々と連携をして、ボランティア体験を企画しています。

フリースペースの利用者には、何をしたらいいかわからない、人と関わることに課題意識をもっている、という方もいらっしゃいます。

少しずつ声をかけながら、一緒に何かをしてみる機会を増やすということは意識しています。

印象に残っているエピソード

ほんとうにたくさんあります!!

アスイクに入職して1年目は「たがじょう子ども食堂」の担当をしていたのですが、

行政からご連絡をいただき県外から引っ越してきたという若いお母さんを紹介されました。

幼い三兄弟を抱えるなか、所持金は数百円。

子どもたちはさっそく会場を走り回っていたのですが、お母さんは不安いっぱいな様子で立っていました。

そこに、他の参加者であるお母さんたちが次々に声をかけてくださったんです。

「うちのでよければおさがりとして着られる洋服がある」「あそこのスーパーは安い」なんて情報をシェアしてくださって。

帰るころにはみんな明るい表情をしていました。支え合う関係性やコミュニティづくりの大切さを改めて感じました。

学習生活支援事業「まなびサポート」を担当していたころは、中学3年生の高校受験が特に印象に残っています。

不登校のお子さんで入試の情報、受験教科が5科目であること、それに加えて面接があることも知らないという状況でした。

受験当日に一人で公共交通機関を使って会場に向かえるように、相談支援スタッフと協力をして会場まで行く練習もしました。

日々の教室でもスタッフに協力してもらい、なんとか受験を迎えることができました。

合格発表当日、その子が「合格しました!佐藤さんのおかげです!」と報告してくれて…

そんなことをいう子だと思っていなかったので、とてもうれしかったですね。

現在の「HATCHいわぬま」での活動は、もう”日常”という感じで。はじまって1〜2年ですが、小さい変化は日々感じています。

例えば、家から出られなかった方が、少しずつHATCHに通えるようになったり。

HATCHを利用している方は、自分自身のペースでひとりで過ごしたいという思いを持っている人も多いのですが、

少しずつ周りの人と一緒に過ごす時間が増えてきています。

HATCHを利用する子どもの保護者と面談をした際に「家では暴れてしまうんです」とお話を受けたことがありました。

フリースペースではそのような様子はなく、本人にとって落ち着いて過ごせる居場所になっていると実感できたとともに、

家庭で見せる一面もフリースペースで見せる一面もどちらもその子らしさなのだとも感じました。

視点を変えればよくも見えるし、悪くも見える。どちらも本当の姿なのだと考えています。

変化や成長を感じる場面に立ち会えることは感動的でもあるのですが、一方で居場所を守って行く責任があると実感する瞬間でもあります。

困ったことが言えて、それをスタッフがキャッチできる、そんな居場所の運営を目指しています。

アスイクで活動するなかで大切にしていること

「自分らしさ」を出しても受け入れてくれる人がいる、という状態を大事にしています。

利用者にも、保護者にも、安心感のある居場所を提供したいです。

また、私自身も「無理をしている状態」や「我慢している状態」にならないように意識しています。

力を入れすぎず、その状況を楽しめたら最強ですよね!なんでも楽しみながら過ごせる自分でいたいと思っています。

個人のビジョンと思い

私のビジョンは「自分らしくいられる居場所づくり」としています。

アスイクで活動するなかで、居場所があることの重要性を感じているからです。

人の目を気にせずに素直な感情を出せる場所で「本当の自分らしさ」に出会い、

「本当の自分らしく」いられる場所で過ごすときにこそ最大限の力が発揮できると感じています。

無理をしなくていい。どんな自分でも受け止められる。そんな安心安全の居場所をつくっていきたいです。

この記事を書いた人

稲村 友紀