子どもの想像力を育み、地域の笑顔をつないでいく

児童館での勤務経験をいかして活躍する三浦。
子どもとかかわる上で大切にしている「広い視野」や「想像力」 その思いに迫ります。

  • 名前      三浦  秀矩 (みうら ひでのり)
  • 役職       荒井児童館 放課後児童支援員 
  • 略歴       宮城県仙台市出身         
             仙台医療福祉専門学校 児童福祉学科を卒業。
             卒業後は保育所→某ホームセンター→仙台市内の児童館で勤務。
             アスイクに転職し現在に至る。
  • 趣味      ドライブ、ランニング、神社仏閣に行くこと
  • 好きな言葉  良い事があってこその笑顔じゃなくて
             笑顔でいりゃ 良い事あると思えたら
             それが良い事の 序章です 

アスイクにかかわるきっかけ

前職でも、児童館で勤務をしていました。

体調を崩したことをきっかけに、このまま仕事を続けるのはどうなんだろうか、と考えるようになり

「自分には何ができるのだろう」「自分は何がしたいんだろう」と自問自答しながら過ごしていました。

働きながら転職活動をしているうちに、目に留まったのがアスイクが運営する荒井児童館の求人でした。

アスイクについて調べていくうちに、児童館だけではなく学習支援やフリースクール、フードバンクなど

様々な事業を行っていることを知りました。

恥ずかしながら、「フードバンク」という言葉はアスイクのHPを通して初めて知ったんです。

転職活動をしている間は自分自身と向き合う時間も増えて、

一時期は分厚い雲が立ち込めているような感覚があったのですが、

アスイクのHPを見ているうちに光がさしてきて。

児童クラブ夏まつりの様子

「やっぱり児童館で働いていこう」と思うことができました。

これまで培った自分の経験を活かせる場なのではないか、と感じたんです。

実際に働いてみて、確かにこれまでの経験はいかせますが、それがすべてだとは思っていません。

荒井児童館のやり方や文化のなかで、自分のこれまでの知見をいかしていきたいと思っています。

アスイクでの仕事

荒井児童館では、「放課後児童支援員」として働いています。

放課後児童支援員は、子どもたちが安心して過ごせる遊びと生活の場を提供しています。

普段の子どもたちは将棋やカードゲームをしたり、季節の工作やイベントが近くなるとその準備も一緒に行います。

子どもたちと野菜苗を植えているところ

様々な活動のなかでも、子どもたちの主体性、社会性、創造性を育む手助けができるように工夫をしています。

ハロウィンイベントにて地域にお菓子をもらいにいくところ

子どもの支援だけでなく、保護者とのコミュニケーションも私たちの仕事の一部です。

「今日はこんなことがありましたよ」とお迎えにいらした保護者の方にお伝えをして関係性を築いています。

その他にも、高校生から大学生位までのボランティアのみなさんが活動してくださっているので、そのサポートも行います。

事前に流れを確認したり、困ったことがないか意識的に声をかけるようにしています。

印象に残っているエピソード

高校時代の話になってしまうのですが‥。

農業高校に通っていたころに、学校で育てた野菜を地域で売る授業があって。

そこにお母さんだったかおばあさんだったか、赤ちゃんを抱いた女性が来てくれたんです。

散歩をしている途中だったようで「野菜を買いたいのだけど、手元に財布がない」とおっしゃられて。

家が近くだというので、高校生の私は家の前までついていったんです。

玄関先まで着くと、女性は「ちょっと預かっててください」と赤ちゃんを私に渡しました。

一才にもなっていない小さな赤ちゃんだったのですが、抱っこをしても泣くことも人見知りもしなくって。

そのときに初めて赤ちゃんを抱っこしたんですが、たった数分だけれど、とても尊くて感動したんです。

それまで子どもとかかわる機会もなかったのですが、このことをきっかけに、

漠然と将来は子どもにかかわることがしたいと思いました。

ハロウィンイベントにて焼き芋を焼いているところ(1)

いま振り返れば、この時が私の原点だと感じています。

荒井児童館でも乳幼児親子の皆さんにご利用いただいているのですが、

来館された際には積極的に声をかけに行っています。

この時の感覚を忘れずに、子どもたちにも関わっていきたいですね。

アスイクで活動するなかで大切にしていること

仕事をする上で大切にしていることは「広い視野をもつ」ということです。

児童館には共に働く職員、ボランティア、子どもたち、保護者、地域の方など様々な人が存在しています。

例えば、職員間では一日の始まりに役割分担をしており、全員の分担は把握しているようにしています。

各部屋を見る人、外遊びを見る人、清掃する人、などの役割がありますが、

全体を把握しておくことで一人一人への気遣いや心遣いができると感じています。

仕事は一人でやっているわけではなく、チームワークが大事だと感じています。

少しでも俯瞰して見ていれば臨機応変に対応ができ、危ないと感じる場面でも適切な対処ができると思います。

不特定多数の方々が来館できるということは、児童館の大きな魅力の一つだと思います。

地域に開かれていないとできない活動も多々あるので、その点でも意識をしていますね。

ハロウィンイベントにて焼き芋を焼いているところ(2)

個人のビジョンと思い

私のビジョンは、「利他の心で」です。

利他という言葉を知ったのは2年程前で、感染症拡大の影響で人との繋がりが薄くなっていくなか注目されている言葉でもありました。

利他とは、他人に利益を与えること・他人のために尽くすことを指すのですが、

これまでの行動を振り返ったときに、私は誰かを気遣ったり思って行動することが多く、これらは利他だったのかもしれないと思いました。

見返りを求めたり、損得勘定にならない。

仕事に限らず、日常生活のなかでも自分以外の誰かのことを考えながら生きていく。想像力を大事にしたいです。

子どもたちとかかわるなかでも「自分がされたらどうかな」「人の気持ちになって考えてみな」等と声をかけることもあるのですが、

一方で心って理解しがたいものだよなとも考えます。価値観も考えも人それぞれですから。

相手を思うことはとても難しいことであり、子どもならなおさらです。

それでも、相手の気持ちを理解しようとする想像力は忘れてほしくないです。

いまはわからなくても、「こういう言動が気になるという人もいるんだよ」と一言伝えるだけで違うんじゃないかと思っています。

人の思いは見えない分、言葉で伝えていかないといけないですよね。

広い視野を持つことや誰かを気遣うということは自分でも意識しているのですが、正直まだまだ足りない気もしています。

子どもたちに対して叱ってしまうことも多いのですが、本当は諭したり気づかせるような関わりができればと思っています。

ちょっとした声がけなど些細なことが子どもたちの想像力につながると思います。

人の気持ちを考えたり思うことで、誰かの笑顔に繋がっていたら幸せです。

この記事を書いた人

稲村 友紀