- 名前 千葉 真美
- 役職 相談支援ユニット
- 略歴 岩手県出身。会津大学短期大学部社会福祉学科卒業。
児童養護施設で保育士として勤務。友人からアスイクを紹介してもらい、現在に至る。 - 趣味 映画鑑賞、スノボ
アスイクにかかわるきっかけ
前職は、児童養護施設で働いていました。
小学生の頃、近くに児童福祉施設があり、同級生にも施設から学校へ通っている子がいたので福祉に触れる機会が多かったのだと思います。
当時は、親と一緒に暮らせない子どもがいるということに驚いていました。
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高校生の頃、児童虐待がテーマのドラマを見たことをきっかけに児童虐待に関心を持つようになりました。
特にメディアで多く取り上げられていた時期で、子どもに手をあげてしまう保護者にも背景や理由があるのだと知りました。
理由を知るうちに、私が保護者の代わり、母親代わりになりたいという思いを持つようになり、児童福祉を学ぶことを決意しました。
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児童養護施設では、5年間勤務をしていました。
経験を重ねるうちに、子どもたちへの支援だけではなく、保護者への支援をしたいという思いが強くなりました。
しかし、勤務していた児童養護施設には保護者の対応をする相談支援員は一人。
自分が実際に保護者支援に関わるには時間がかかると思い、転職を決意しました。
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アスイクには、友人がボランティアをしていたことをきっかけに出会いました。
まずは話を聞こうと採用説明会に参加した際に、団体の理念に強く共感。「どの事業であっても働きたい!」と思い応募、採用され今に至ります。
これまでは実際に保護者対応をしたことはなかったので、初めての面談はとても緊張しました。
私は複数のエリアを担当していますが、保護者にとっては担当はひとりしかいません。スタッフには幅広い知識が必要だと感じています。
一人で対応するのはとても難しいですが、同じ相談支援スタッフの背中をみて学び、知恵を寄せ合いながら日々保護者と向き合っています。
アスイクでの仕事
宮城県 学習・生活支援事業のうち7教室を担当しています。
エリアが複数にまたがり広範囲となっており、はじめは土地勘がなくて教室から教室までどのくらいの距離があるのかもわかりませんでした。
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業務としては、保護者との面談や連絡、各教室での体験会の実施、家庭への訪問支援、各関係機関との連携を行っています。
家庭への食糧訪問(フードバンクプラアス)では、食糧をお渡しできるだけでなく、教室では聞けない子どもたちの話が聞けたり、
教室に来ることが難しいご家庭との繋がりを維持することができます。
担当エリアに加えて、涌谷町で実施している訪問支援「涌谷町わくわくデリ」にも携わっています。
学校をはじめとする関係機関への訪問では、事業説明や情報共有を行っています。
支援を必要とするご家庭をアスイクに繋げることと、現在登録している子どもたちへよりよい支援を行うことが目的です。
事前に保護者の同意を得た上で情報共有も行っています。
教室での子どもたちの様子や発言をお伝えすると、学校での一面とはまた違うという声が聞かれることが多いです。
担当教室は7教室ですが対象の市町村数はさらに多いので、さまざまな地域に出向いて訪問をしています。
印象に残っているエピソード
アスイクに入職した当初、担当しているご家庭の保護者から「子どもが暴れていて困っている」とお電話を受けたことがありました。
実は、このご家庭には抱えている課題があり、幾度も話し合いを重ねて関係性を築いている最中でした。
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保護者の方から「アスイクであれば、17時以降でも繋がると思ってかけました。」と言われたときには、
私たちNPOだからこそ柔軟な支援ができるのだと実感しました。
現在では、複数の関係機関が繋がって多くの目で見守りを行っています。
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「アスイクだったら相談できる」「手伝ってくれるんじゃないかな、と思って」と保護者の方からおっしゃっていただくこともあります。
私からは「できることがあれば、お手伝いします」とお伝えしていて、”なんでも”はできませんが、
アスイクとしてやれることがあればできる限りサポートしたいと思っています。
保護者の方とお電話で2時間程お話をしたこともありました。
はじめはご挨拶程度だったのですが、訪問を重ねるうちに信頼関係ができたのか
「話を聞いてもらえるだけでうれしい。こんなに長時間、自分の話をしたことはなかった。」と感謝の言葉をいただきました。
保護者の方も、何かをしてほしい、と望んでいるわけではなく、話を聞いてくれる相手や時間が必要だったのかもしれません。
継続して関わることで得られた時間だったのだと思います。
アスイクで活動するなかで大切にしていること
信頼してもらえるということを大事にしています。
特に保護者の方との関係性は、いったん崩れるとなかなか再構築が難しいと思うので不信感が募らないように、
相談していただく上で「千葉さんは、話しても大丈夫な人だ」と思ってもらえるように声のトーンや話し方、場面に応じた立ち振る舞いなどを意識しています。
また、相手の様子をよく見るようにも気を付けています。
保護者の前での子どもたちの態度や様子をよく観察し、どんな環境で育ってきているかなどの背景を想像しながら関わっています。
個人のビジョンと思い
「もっとアスイクを知ってもらいたい」という気持ちは入職当時から変わっていません。
幼少期から切れ目なく子どもを見守り繋がる活動には大きな意義があると強く感じているからこそ、
もっとアスイクを知ってもらい、より多くの子どもたちに利用してもらいたいです。
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一方で、「アスイクの活動が必要なくなるような社会になってほしい」とも思っています。
子どもたちが困難を抱えることがない社会になれば、アスイクの存在は不要になるかもしれませんね。
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そんな社会の実現を目指しながら、子どもたちや保護者、そして関係する皆さんとの信頼をつなげていきたいです。