「自分は社会の役に立てていないんじゃないか」コンプレックスが現場で光るとき

ひきこもり支援「HATCHいわぬま」のメンバー武田。
「生きづらい過去に引っ張られるのではなく、人生の主体として歩む視点」を。
彼の等身大の関わりから見えてきたものとは

  • 名前       武田 増満 
  • 所属       HATCH(ハッチ)いわぬま 
  • 略歴       宮城県出身。北海道大学理学院博士後期課程単位取得退学。
             2020年3月アスイク入職。荒井児童館にて3年間勤務後、
             2023年7月よりHATCH(ハッチ)いわぬま配属。
             2024年度アスイクベスト・ワークアワード準グランプリ受賞。

アスイクにかかわるきっかけ

実は入職するかなり前の2015年ころからアスイクのことは知っていました。

当時私は北海道に住んでいて、地元仙台に戻ることを検討していた時期でした。

大学院時代に教員免許を取得したこともあり、

仙台の「若者に関わる仕事」を探す中でアスイクの学習支援を知りました。

その時は結局北海道に留まり、数年後、大学で学んだ映像制作の経験を活かして

テレビ番組制作を通した地域おこしの仕事をしていましたが、

任期満了となったタイミングで仙台に戻ってきました。

戻ってきて、就職活動とあわせて何かボランティアをしようと思った時に

ボランティアをするならアスイクだな

と学習支援のボランティアに応募したことがアスイクに関わったきっかけです。

2011年の東日本大震災の時、地元のために何もできなかったという思いもあったので

「震災をきっかけに立ち上がった支援団体」という部分にも共感を持っていたのだと思います。

1カ月ほどボランティアとして学習支援の活動に参加した後、

児童館のスタッフとして3年間勤務、

2023年7月から現在勤務している「HATCHいわぬま」へ配属となり今に至ります。

アスイクでの仕事

ひきこもり支援を行う「HATCHいわぬま」では、

フリースペースの運営やイベントの準備、

また、家から出ることが難しい方の場合はこちらから訪問もしています。

基本的に本人がしたいことのお手伝いをするのですが

何かしたいけど、何をしたらいいかわからない」という方には、

人と関わること、何か作業してみること、出かけてみることなど

私たちができることを提案して、一緒に考えていきましょう。というスタンスで関わっています。

そうやって経験値を積み重ねていく中で、

本人の「こうしたい」が出てくれば、「じゃあ次はこうしましょうか」と提案する。

そういうペース感で伴走しています。

印象に残っているエピソード

私はモラトリアム期が長く、

自分は何をやりたいのか、何ができるのか」を考えながら、

同年代が就職や結婚するのを見送ってきました。

アスイクに入職するまでは、契約社員だったり任期つきの仕事をしており、

どこか「自分は社会の役に立てていないんじゃないか」というコンプレックスを抱えていたように思います。

また、私は福祉を学んできたわけではないので、

仕事の中に自分の学んできたことが直接活かせるのだろうかというか。

と自分の経歴に少し自信のないところもありました。

そんな中、HATCHいわぬまでとても印象的だった出来事があります。

私の少し上の年代で長くひきこもりだったその方とは、訪問支援の現場で出会いました。

話をする中で、その方から「腹を割って話そう」という提案があり、お互いの経歴を話したんです。

相手の方は私の話にとても関心をもってくれて、

この話をきっかけに表情も変わり、以前よりもたくさん話してくれるようになりました。

これまで自分ではコンプレックスだと思っていたことが役に立ったと感じられ、とても嬉しく思いました。

活動するなかで大切にしていること

支援者といっても一人の人間であることに変わりはありません。

私もそうですが、支援者だって何かしらコンプレックスや悩みを持っているものです。

それがどういう形で役に立つかはわかりませんが、

話をする時は自分のことを織り交ぜながら話すことも意識しています。

自分の中に「社会の役に立っていない」とか「何をしたらいいか分からない」という

感覚があったように、今関わっている方の中にも、

似たような感覚を持っている人がいるだろうなと、感じることがあります。

そういう人に対してコンプレックスも含めて自分のことを話すということは、

一つの視点として無意味ではないと思っています。

(必要とされていない“自分語り”にならないよう気をつけつつですが笑)

今後やりたいこと

一生の間に一冊でいいので本を書けたらと思っています。

学生の頃からちょっとずつ書いている【自分史】です。

ナラティブアプローチという手法がありますよね。

生きづらい過去の経験を、当事者が語りなおすことによって生きやすくなる

過去に引っ張られるのではなく、人生の主体として歩む視点が持てるようになる。

自分史にもこれに似たような意味や効果があると思います。

言語化して誰かに聞いてもらうことで、

生きづらさが生きづらさのままで終わるのではなく、意味合いが変わっていく。

仕事でもプライベートでもそういう場面に立ち会えたらいいなという思いがあります。

アスイクの仲間になる方へメッセージ

アスイクのいいところは、いろんな事業をやっていることです。

入職するときって「こういうことをやりたい」とか「自分のここを活かしたい」

と思って入職すると思います。

でも、活かされるのって自分が思っている部分だけじゃないんです。

私は、自分では思いもしなかった部分が活かされているなと感じています。

それは、さまざまな事業があって、

それぞれの環境に置かれることで引き出される場合もありますし、

同僚から引き出してもらったと感じることもあります。

アスイクは色々な事業や関わりの中で、自分のいろんな可能性を引き出してもらえる場所だと思っています。

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